スタートアップ初期における適性人材
SaaS系スタートアップの鉄則的なブログは、有名なVCさんが執筆されていてよく読んでいるのですが、改めて、自身の体験を振り返ると「ホント、それ!」ということが多いです。
今日はホント、それ!を掘り下げてスタートアップにおける「重宝される人材」について書こうかなと思います。
スケール前のスタートアップに専門家はいならない
強いて言えば、SaaSは開発ドリブンなのでエンジニアは必須。でも、開発以外の業務は、縦割りできるほどない。何と言っても顧客がいないのだから当たり前です。さらに、自分たちのフィットする市場もわかってないので、トークスクリプトもなければ、キャッチコピーもない。故に、業務の型もない。正解がわからないからパターンとかない。
だから、なんでもやる・なんでもやれる人材でなければいけない。canではなくてwillでなぎ倒していく人材。
よく指摘されるのは、スケール(グロース)前にマーケターやCFOなど専門家を雇って資金が尽きるスタートアップあるあるである。弊社においても、結局マーケ(集客)からクロージング(営業)、アフターフォロー(CS)は私が一人でやっています。一応「営業」という役職で働いていますが、正直、肩書不明です。そろそろピボットが終わり、狙うべき市場がわかったので、マーケター入れようかなというフェーズです。
とはいえ、弊社も失敗がなかったわけではありません。
普通の会社と同じ要領で「営業」を雇って失敗した話
私以外に「営業」を雇ったことがありました。そして、数ヶ月で辞めていきました!当時、私は採用に関与してなかったですが、今なら、あの採用が失敗であったこと、よく理解できます。
スタートアップ初期は
「サービスが売れるかわからない」
「セールスポイントがわからない」
「顧客がわからない」
「競合が何かわからない」
「ニーズが顕在化してないから顧客に予算がない」
という「わからない祭」です。
わからない祭なので、これまでの営業手法とか役に立ちません。辞めていった人は何も悪くないと思うのですよ。だって、売れないもんね!誰がやっても売れないんです。だから、代理店販売とかも絶対ダメです。売り方の勝ちパターンがないのに、代理販売なんてできるわけありません。
とは言え、売らないと成長しないし、成長しないと投資してもらえないので死にます。どうするか。最初の顧客は、創業者のツテで探すのが鉄板です。あと、創業者しかサービスに込めた思いや夢を語れませんので、まずは創業者が顧客を取ってくるというのが大切になります。
そして、ある程度顧客を得ることができたら、そのバトンを貰って根気よく顧客の声を聞き、成功体験を分析し、横に展開するために売れるまでピボット(検証と挑戦)し続ける行動力ある人材を雇うといいです。行動力を支えるのは事業への共感であったり、自分の目標であったり、様々なので、そのあたりはきちんと確認してみてください。
注意しておきたいのは、メンタルのタフさやストレス耐性。人間万能ではないので、メンタルという側面を採用基準の重要項目に置かないことをオススメします。ストレス耐性より、下記が大切だと私自身の原体験から考察しています。
1. 創業者がイライラしないこと
2. チームメンバー助け合って知恵を出し、施策を出し合うこと
3. 一発逆転を狙わず、小さな成功をチームで喜ぶこと
要は支えです。私は毎日売れないなーというのを半年くらいやっており、マジで会社行きたくないという日が数え切れないほどありました。
それでも踏ん張ってこれたのは、チームがあったからです。顧客の声に素直なチームで作ってきたサービスだから売れると思ったし、売りたいと思いました。そうやって踏ん張っているうちに、経営者に近い目線でサービスを語れる存在になっており、ちょっとづつ顧客がついてくるようになり、小さな成功をチームで喜べるようになっていました。
結論としては
未知(正解がないこと)に対峙するための自分の原動力をよくわかっている人
を採用することが大事かなと思います。